我が家の価値観
先日、実家に家族が集まる予定がありました。
私たち姉妹は仲が良く、年に数回、実家に集まって食事をしたり、近況を報告し合ったりしています。
子どもたちも成長し、それぞれ忙しい毎日を送るようになりましたが、実家に集まる時間は、私たち家族にとって大切なひとときです。
ところが今回は、妹の夫が目の手術を受けることになり、自宅で療養するため参加できないとのことでした。
「大変だね。」
「何かできることがあったら言ってね。」
そんな言葉をかけながらも、私は正直なところ、
「本人からその後特に何も言ってこないから大丈夫なんだろう」
くらいに考えていました。
ところが後日、父から言われたのです。
「お見舞いを包んで渡しなさい。」
私は正直戸惑いました。
家族にお見舞金のような現金を渡した経験がなかったからです。
ましてや妹家族とは普段から仲も良く、困ったことがあれば連絡が来るだろうと思っていました。
だから最初は、
「そこまでしなくてもいいのでは?」という気持ちもありました。
けれど、その出来事がずっと心に残っていました。
父が伝えたかったこと
父は団塊の世代です。
家族を守ること。
困った時には助け合うこと。
親族とのつながりを大切にすること。
そうした価値観の中で生きてきました。
今振り返ると、父は単にお金を渡せと言いたかったわけではないのだと思います。
きっと、
「何かあった時は、家族で支え合うんだよ」
ということを伝えたかったのではないでしょうか。
困っている時に連絡が来るのを待つのではなく、こちらから気にかけ、こちらから手を差し伸べる。
その姿勢そのものが大切なのだと。
若い頃には理解できなかったことが、年齢を重ねるほど少しずつわかるようになってきます。
親が大切にしてきたことや、親が当たり前のようにやっていたこと。
それは単なる習慣ではなく、父の生き方そのものだったのだと気付かされる瞬間があります。
家族だからこそ、育て続ける
家族は特別な存在です。
でも、家族だからといって絆が自然に続くわけではありません。
家族だから分かってくれる。
家族だから大丈夫。
そう思っているうちに、少しずつ距離ができてしまうこともあります。
実際には、
声をかけること。
顔を見せること。
気にかけること。
感謝を伝えること。
そんな小さな積み重ねによって、家族の関係は育まれていくのだと思います。
絆は与えられるものではなく、築いていくもの。
それは夫婦も同じ。
親子も同じ。
兄弟姉妹も同じです。
当たり前に存在しているように見える関係ほど、本当は日々の積み重ねによって支えられているのかもしれません。
写真を見返すと見えてくるもの
こころBOOKでは、多くのご家族の写真をお預かりします。
写真整理のお手伝いをしていると、皆さん口を揃えておっしゃいます。
「こんなこともあったね。」
「この時は大変だったよね。」
「父はいつもこうだった。」
「母らしい笑顔だね。」
写真を見ているようで、本当は人生を見ているのです。
そこに写っているのは、行事や旅行だけではありません。
支え合った時間や、笑い合った時間や、乗り越えてきた時間。
時にはぶつかり合った時間さえも含めて、その家族の歴史なのです。
写真を整理していると、家族の絆は特別な出来事によって生まれるのではなく、何気ない日常の積み重ねによって作られてきたことがよくわかります。
未来へ残したいもの
もし将来、子どもや孫たちが写真集を開いた時、そこに残るのは写真だけではありません。
家族を大切にした想い。
誰かを気遣った優しさ。
支え合ってきた歴史。
親から子へ受け継がれてきた価値観。
そうした目には見えないものも、一緒に受け継がれていきます。
今回の出来事を通して、私は改めて感じました。
家族の絆とは、特別な日にだけ生まれるものではない。
困った時に気にかけ、相手を思い、声に出し、手を差し伸べること。
その小さな積み重ねの先に生まれるものなのだと。
そして、その積み重ねはいつか思い出となり、家族の物語となり、次の世代へ受け継がれていくのだと思います。
こころBOOKは、そんな家族の物語を未来へつなぐお手伝いをしています。
写真を残すことは、過去を保存することではありません。
家族の想いを未来へ届けること。
それが、こころBOOKが大切にしていることです。
「我が家の価値観」
エピソード、残しませんか?


