大切な「生きた証」を救う応急処置法
近年、日本では豪雨や台風、河川の氾濫といった水害が各地で相次いでいます。
大切な家や家財が泥水に浸かってしまうという過酷な状況下で、多くの方が「もうダメだ」と諦めて捨ててしまうものがあります。
それが、泥にまみれ、濡れてしまった「写真」です。
しかし、写真整理の専門家としてお伝えしたいのは、「大事な写真は、濡れてしまっても、泥にまみれてしまっても、捨てないでください!!」ということです。
適切な応急処置を知っていれば、その写真は救える可能性があります。
「救えるとは思わなかった」と後悔する前に、大事な写真を救う応急処置を知っておきましょう。
なぜ3〜4日が勝負なのか?
写真が劣化してしまう最大の原因は、泥水に含まれるバクテリアやカビです。
汚れたままの状態で放置すると、わずか3〜4日で写真の表面(エマルジョン層)が傷み始め、画像が剥がれ落ちてしまいます。
一刻を争う状況だからこそ、まずは以下の「応急処置の4つのステップ」を実践してください。
写真整理の専門家が教える「濡れた写真の応急処置」
01 準備
「直射日光」を避けて乾かす
濡れた写真を急いで乾かそうと日光に当てるのは厳禁です。
急激な乾燥は写真の反りや剥がれの原因になります。
必ず「直射日光が当たらない風通しの良い場所」で作業してください。
泥を払い、アルバムを開く
乾かす前に、付着した泥を優しく払い落とします(強くこすらないでください)。
アルバムに綴じられたままの場合は、無理に剥がそうとせず、まずはアルバムを見開きにして空気に触れさせます。
写真同士を離して「隙間」を作る
写真同士が重なったまま乾くと、くっついて二度と剥がせなくなります。
可能な限り一枚ずつ離して並べるか、洗濯ばさみなどで吊るして乾かすのがコツです。
02 水洗い(洗浄)
時間が確保できたら、綺麗な水を使って、写真に残った泥や汚れを丁寧に洗い流します。
泥水に含まれるバクテリアやカビの繁殖を防ぎ、写真の劣化を食い止めるためです。
03 乾燥
直射日光を避けて、再度乾かします。
急激な乾燥による反りや画像の剥がれを防ぐため、必ず「直射日光の当たらない、風通しの良い日陰」で乾かします。
04 データ化
写真が十分に乾いたら、物理的な劣化の心配がないデジタルデータとして保存します。
プロによる救出技術と記録
より詳細な洗浄方法や、多くの写真を救ってきた「写真救出プロジェクト(富士通/PFU)」の活動については、以下の公式サイトも非常に参考になります。
▶ 写真救出プロジェクト|濡れた写真の洗浄・救出方法(外部サイト)
写真は、これからを生きる「心の糧」になる
写真は単なる「モノ」ではありません。その人がどう生きてきたかを静かに物語る「生きた証」そのものです。
東日本大震災の瓦礫の中から救い出された写真が、多くの被災者の方々の心を絶望から救ったように、写真は過去を振り返るためだけのものではなく、「これからを生きる糧(かて)」になります。
思い出を「一生もの」に固定するために
命の危険を乗り越え、泥の中から救い出した写真は、いわば「二度救われた、奇跡の宝物」です。
その大切な一枚を、二度と失われないように形に残す。
それが「こころBOOK」の使命です。
水害はいつどこで起こるかわかりません。
この知識が、あなたやあなたの大切な人の「生きた証」を守る一助となることを心から願っています。
「写真整理の専門家」に
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